複数の拠点にわたる複雑な水道システムの最新化

重要な水道システムを中断なく最新化

カナダ･オンタリオ州南西部の地方自治体であるウォータールー地域は、3つの都市と地方自治体にまたがる60万人以上の住民に飲料水と廃水処理サービスを提供しています。高品質なサービスを維持し、進化する業界標準に準拠するため、ウォータールー地域はSCADAシステムとPLCインフラの最新化を目指しました。

既存のシステムは機能していたものの、長期的な効率性、セキュリティ、そしてレジリエンス(回復力)に必要な高度な機能が不足していました。プロジェクトの規模は大きく、広大な地域にまたがり、規模や複雑さもさまざまに異なる157の施設を改修する必要がありました。しかし、重要な水道インフラの最新化には、特有の課題がありました。これらのシステムをオフラインにすることは、不可欠なサービスを中断させるだけでは不可能だったのです。

ウォータールー地域は、継続的な給水を確保しながら、技術的および運用上の複雑な課題を解決できる統合パートナを求めていました。彼らは、システム統合とパネル供給の両方に対応できるターンキーソリューションのプロバイダを求めていました。Brock Solutions社がパートナに選ばれ、数年にわたる緊密な協力体制に基づく変革の始まりとなりました。

段階的な協働アプローチによる水道システム改修

Brock Solutions社は、上下水道システムに関する専門知識を活用し、お客様に合わせた段階的な最新化アプローチを構築しました。ロックウェル･オートメーションの技術を活用し、さまざまな施設タイプに対応する標準化されたソリューションを開発し、ネットワーク全体にわたる一貫性を実現しました。

小規模な屋外施設には、オンボードI/Oを搭載したCompactLogix®コントローラが、合理化され保守性の高いソリューションを提供しました。中規模の施設では最新のCompactLogix®モデルを使用し、最も複雑な施設では信頼性を確保するために完全な冗長性を備えたControlLogix®コントローラが求められました。Stratix®スイッチ、分散型I/O、デジタル･リング･トポロジは、システム間の堅牢な通信を実現しました。これらの標準化されたソリューションにより、オペレータは複数の拠点間でより効率的に作業できるようになり、ダウンタイムを削減し、問題解決能力を向上させました。

プロジェクトの成功の鍵となったのは、関係者との継続的なエンゲージメントでした。「コミュニケーションは、このプロジェクトの成功の鍵となりました」と、Brock Solutions社のシニアマネージャ兼テクニカルリードであるマイケル･ロウィンスキー氏は述べています。

Brock Solutions社は、当初から、オペレータ、技術者、経営陣を実装のあらゆる段階に関与させました。毎週のミーティング、ワークショップ、そして実践的なテストセッションを通して、数十年にわたるIT経験を持つベテランオペレータから、ネットワークのセキュリティを確保するITスペシャリストまで、誰もがソリューションの策定に意見を述べることができました。

施設の移行に伴うリスクを軽減するため、Brock Solutions社はデジタル･ツイン･シミュレーションを含む高度なテスト戦略を採用しました。SCADA画面とPLCプログラムは、導入前に管理された環境で構築･テストされました。工場受入試験(FAT)により、オペレータは実際のシナリオでシステムを操作し、実際の運用に影響を与える前に潜在的な問題を特定できました。重要な切り替え時には、新しいパネルとPLCを設置する間、給水供給を中断することなく維持するために、仮設システムを導入しました。