グリーンフィールド工場、チーズ生産を増強

予定通り、予算内での立上げ

グリーンフィールドプロジェクトは、イノベーションと新たな可能性の探求というユニークな機会を提供しますが、同時に、多様な分野の知識や経験を必要とする大きな課題を伴うことも少なくありません。

大規模チーズ製造メーカであり、ホエイ原料の世界的なサプライヤである企業は、建設、プロジェクト管理、フロント･エンド･エンジニアリング、自動化と制御、計装など、大規模なグリーンフィールドプロジェクトの重要な側面を管理するために、複数のベンダーに依存していました。同社の目標は、最新のテクノロジと規格を備えた世界クラスの製造施設を持つことでした。また、予定通り、予算内でのスタートアップをしたいと考えていました。

牛乳がチーズ生産に不可欠な材料であることから、チーズ製造メーカは地元の酪農家と協力し、グリーンフィールド施設への牛乳の納入が所定の日に確実に行なわれるようにしました。フル稼働すると、プラントには毎日約800万ポンドの牛乳が必要となります。生産の遅延を避けるため、すべての契約ベンダーは、予定された牛乳の納入より前に厳しい納期を守る必要がありました。

サプライチェーンの問題、プロジェクト範囲の最終変更、および複雑な文書化にもかかわらず、同社は予定されたスタートアップ日を迎えることができました。

チーズ製造メーカは、ロックウェル･オートメーションのPartnerNetwork™プログラムのプラチナ･システム･インテグレータ･メンバーであるトライテック･オ－トメーション社に、最新のテクノロジソリューションと業界標準の専門知識を求めました。トライテック･オ－トメーション社は、グリーンフィールドプロジェクトの自動化と制御の予算管理、実装、そして標準と方法論の側面を監督しました。

プロジェクトの期間中、トライテック･オ－トメーション社は、プラント内で真のイノベーションを達成するために対処する必要がある重要なエンジニアリングギャップを特定しました。CENTERLINE 2100モータ･コントロール･センタ(MCC)、PowerFlex可変周波数ドライブ(VFD)、ControlLogixコントローラなど、プロセス制御機能とパワー制御機能が一元化された統合アーキテクチャを実装する絶好のチャンスが訪れました。この統合アーキテクチャソリューションは、自動化の島々を避け、プロセス制御システムとデバイス、安全、エネルギー管理、電気システムおよびその他のシステムを統合します。 

予算の制約、建設期限の厳しさ、サプライチェーンの課題に直面したトライテック･オ－トメーション社は、エンジニアリング段階が完全に完了する前に機器を注文することを決定しました。標準的な納入スケジュールを維持するため、同社は1200Aおよび800Aバスシステムを搭載した45台の受注構成(CTO)低圧MCCを購入しました。これらのMCCは、可変周波数ドライブ(VFD)、スタータ、フィーダブレーカ、およびその他のコンポーネントを含む643台の接続負荷をサポートし、合計19,500HPの接続電力(27,500A)を供給しました。  

CTO MCCのカスタマイズは、トライテック･オ－トメーション社のセントルイス工場で行なわれ、そこでネットワークを構築し、MCCと統合しました。このプロセスでは、個々のMCCユニットの必要に応じたネットワーク接続と変更、電源投入、デバイスパラメータの設定を行ない、製造メーカ固有の情報とネットワーク情報の両方を含むデバイスごとのカスタムタグを作成しました。最後のステップでは、最適なパフォーマンスとコンプライアンスを達成するために包括的な工場受入試験(FAT)を実施しました。営業およびマーケティング担当マネージングディレクタであるライアン･ウィリアムズ氏は、「ロックウェル･オートメーションから受注構成ソリューションを注文し、全体の数%のスペアを確保して早期に発注し、事後に発生した変化に対応することに非常に安心感を感じました」と、述べています。

トライテック･オ－トメーション社の専門知識は、他にも多くの分野をカバーしています。ロックウェル･オートメーションのControlLogix制御システムをプログラマブル･ロジック･コントローラ(PLC)に使用し、ロックウェル･オートメーションのテクノロジパートナであるエンドレス･ハウザー社と協力して、計装の統合と合理化を図り、サポート性を向上させました。

また、トライテック･オ－トメーション社社は、施設のバックボーンとして機能する製造メーカの制御技術(OT)ネットワーク設計のギャップも特定しました。同社は、コアスイッチからプラントフロアに至るまで、包括的なOTネットワーク設計を実装しました。ウィリアムズ氏によると、すべてのスイッチを設定および構成し、SDカードにバックアップし、バックアップファイルを作成し、交換方法に関するマニュアルを作成したとのことです。